例えばあなたの目の前に幕の内弁当があるとする。おかずが数種類あるので最初にどれに手をつけて食べようかと迷うのではないだろうか。さらに意識的にも無意識的にもどのおかずを食べて白いご飯に箸を進めていこうかと思うのではないだろうか。
当の私もこのおかずで白いご飯をこれくらい食べて、次は歯応えのあるおかずを選んで口の中に変化を持たせ、このタイミングで味噌汁を飲んで舌全体で味わおう、とするとか最後に残したこのおかずで食べる白いご飯はこれくらい残しておこうとか思いながら日々の食事をしている。
和食では「口内調味」という言葉がある。味のついていない白いご飯を塩分を始め味付けされたおかずや汁もので食べることである。また薄めの味付けの食べ物を濃いめの味付けの食べ物で食べたりして口の中でちょうど良い味加減にするといった意味合いのことである。さらにそれらには味付けだけではなく食感なども含まれる。
ちなみに欧米のほとんどの方は味付けがされていない白いご飯を食べることに抵抗があると聞く。例えばどんぶりや炊き込みご飯であれば食べることができるが、おかずを口の中に入れて次に白いご飯を食べ、口の中で調味するという動作にはあまり馴染むことができないらしい。
それらのことを考えても和食では提供される食事の内容が全く同じでも食べ方ひとつで美味しくも普通にもなる。単調な食事で終わるか、薄めの味付けの前菜的口内調味で始めて最後は濃いめの味付けのおかずでクライマックス口内調味を作って楽しむかは食べ方次第である。
ぜひ、日頃の食事を「星3っつー!」の食べ方にチャレンジしてみて下さい。
「ワインパーティー」
コメント