子供の頃に馴染んだ味はその人の現在の嗜好を色づける。家の味とかおふくろの味という言葉がそれに値しようか。
飲食店ではお客様がどのような家の味を持つ方なのかなんて分かるはずがない。そこらで苦戦を強いられる時がある。
少し調べると家の味代表選手に味噌汁、肉じゃが、卵焼き、ハンバーグ、カレーなどがどうやら入るらしい。
例えば味噌汁では原料だけでも米、麦、豆がある。さらに熟成具合が違う赤味噌、白味噌があり、ご存じ合わせ味噌もある。
出汁ではカツオか煮干しか、はたまたアゴだしを常用するか。さらに具材も物を言う。豆腐、青葱、あげ、わかめなどが定番。それ以外の具材を入れるとしたらどこまでが許容範囲だろうか。このように味噌汁でも多くのバリエーションが考えられる。
そしてカレーの好みも家の味が反映する気がしてならない。個人的にはカレーが好きだからカレーを食べる時に色んな想いを馳せてしまう。甘口か中辛か。ジャワ系、バーモント系、あるいはどちらでもない。これはあのカレーのベースと似ているな、とか。スパイスはあれとあれが入っているな、などと想ってしまう。
よくよく考えてみると食品売り場でのカレーのルウとレトルトカレーの陳列スペースも他の食品と比べて案外と広い。それだけ好みが多彩化しているし、カレー自体の需要もあるのだろう。
一昔前ほどの偏った味の固執傾向はないがその分だけ味の多様化が進んでいる。しかもそれらの中では一昔前の味のベースの上に立って派生したものが多い気がする。
人にはどうしても譲れない味好みや無意識のうちにも定着している味慣れのようなものがある。だからこそ共感できる部分があり、料理をする時に頃合いを教えてくれる。逆に不慣れな味の部分はまだまだ学びの余地が残っていることでもあるのだろう。
~ぼてちんカレー~
話が長くなりましたがそのような中でぼてちんのカレーの味はと言うと、まず優しくて甘~いカレーではありません。例えると「軽めのコクとなめらかさを持つ旨味のパンチが利いたシャープなスパイシーカレー。」と言ったところです。
口に入れるとすぐにカレーの旨さや野菜の旨味のパンチが広がります。またニンニクやスパイスのベースも響いています。
そして余韻ではずっと続いている旨味の上でスパイスの辛味が鼓動を打ち、二口目を食べるや否やまた旨味のパンチが広がります。
また、豚カツなどのカツモノや単なる牛肉入りでもカレーの味わいが変わります。相性はそれぞれの際立ちがあり抜群です。
ぜひ、ご賞味ください。