こんにちはぼてちんスタッフです。
さて今回は、『おいしさ』についてです。
今回もあくまで僕の個人的なものですので、ある意味軽く読んでくださると助かります。
さて、『おいしさ』とはなんでしょうか?
あまりに漠然としたテーマですので、絞っていきましょう。
大間の本マグロ、イタリア産のトリュフ、フランス最高級フォアグラ、国産牛A5ランクのフィレ肉、これらを完璧に調理して食べる。
これは、誰が言うまでもなく美味しいですよね。
これらを食べて好き嫌いは別として『不味い!』と言う人はいないでしょう。これも『おいしさ』。
でもこれらは、極論で言えば大金をだせば手に入るものがほとんどですよね。
今回はそういったものからは少し違った角度で見ていきましょう。
僕の父親の言葉で忘れられないものがあります。
『ええか、海辺で食べるカップラーメンがこの世で一番美味いんや。』
これは、父が僕をよく海に連れて行ってくれた時、海の家で買ったカップラーメンを僕と一緒に海を見ながら食べた時の言葉です。
このときの小さい僕はふーんとしか聞いていませんでしたが、料理の世界にはいってこの言葉はその通りだと思いました。(まぁ父はそこまで深くこの言葉を言ったのでないと思いますが)
どういうことでしょうか?
このカップラーメンなぜ美味しいのでしょうか?
たとえばこのカップラーメンをめちゃくちゃ綺麗な器に入れて最高のサービスマンがこれまた、超高級なテーブルの上に出してくれたとします。
おそらく、美味しくありません。
なんや、カップラーメンやん!って思うか
いやこれやったら普通に家で食べるわ!って思うかのどちらかでしょう。
このカップラーメンは、海で家族で一緒に泳ぎ、いい感じに疲れた体に仲良く海の家でカップラーメンを買い、一息つきながら海を見て啜るから最高に美味しいのです。
つまり、家族との海という特別な空間、そしてほっこりする雰囲気、このシチュエーションがカップラーメンを美味しくしたのです。
これは、何もカップラーメンに限ったことではありません。
彼女が朝から一生懸命つくってくれたお弁当、運動会の時の母のおにぎり、頑張ってお金を貯めてやっと食べれた高級イタリアンなどなど。
こいういったその人にしかないその瞬間のシチュエーションがその時の食べ物を美味しくするのです。
それは、高級な食材とか高価な器とか上質なサービスなんてものとは全く違う次元の『おいしさ』です。
『思い出の味』と言ってもいいでしょう。
僕はこの『思い出の味』がぼてちんでたくさん生まれてくれればなぁと思います。
彼女の誕生日に頑張ってご馳走したタンシチュー!
お母さんが誕生日に食べさせてくれたぼてちんハンバーグ!
久しぶりのお父さんのとのランチでのナポリタン!
こんな人それぞれの暖かい思い出にぼてちんのメニューがさりげなく入ってくれれば嬉しい。そんな思いでいつも料理をしております。
レシピや料理本に事細にのっている温度帯や調味料のグラムから導きだす『おいしさ』と人の心や思い出が織りなす『おいしさ』この二つが綺麗にはまった時最強の『美味しい!』ができあがるのではないでしょうか?
それきっと物凄く難しいことだと思いますが、日々精進し、少なくとも僕はこのように食べ物から生まれる感動や思い出を大切にできる料理人でありたいと思います。
あれ?
気がつくと物凄く長くなってしまいましたが、読んでいただきありがとうございます笑笑。
皆さまのお越しを心からお待ちしております。
ダイニングぼてちん。
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